しじま

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 仕事終わりに自宅近くのスーパーに寄って、割引きシールの貼られた惣菜と次の日に食べるパンと牛乳を購入。

最近また出没するようになった変質者に出会す前に、暗い夜道を自宅まで競歩。

 二階建てアパートの二階奥が私の現在の住まいである。

一段飛ばしで外階段をガツガツと上がり、宅配BOXの陰に隠している自宅の鍵を使って、半日ぶりの我が家へと体を滑り込ませた。

帰宅早々に手指のアルコール消毒、長時間履きっぱなしで蒸れて臭う革靴に消臭スプレーを吹きかける。

シャワーを浴びて下着姿で部屋を徘徊、冷蔵庫に牛乳をしまい、かわりに冷凍庫からラップに包まれたご飯を取り出して、買ってきた惣菜と一緒にレンジに放り込む。

 通販で箱買いしたカップ味噌汁にウォーターサーバーのお湯を注ぎながら、カチカチに凍ったご飯が温まるのを待つ。

――そうだ、忘れていた。

「ただいま、母さん」

 冷蔵庫の上に置かれた小さな写真立ての中で微笑む母に向かって囁いた。

テーマ「私の当たり前」

7/9/2024, 4:40:04 PM