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昨日、早めに帰宅した夫は、この時を待ってましたとばかりに足場をするすると上がり屋根からの景色をスマホに収めてた。前職が現場職人だったからなのか、足場が立ち上がると、そわそわうずうずしているなーーって、感じがしてた。

で、昨日、夫が玄関からなかなか上がって来ないなーーと思ってたら、屋根がゴトゴト音がして、たまらず外へ出て見上げると、ビーサンの夫が屋根をあちこち歩き回ってた。

スニーカーよりビーサンの方が、屋根を歩き易いらしい。

大屋根からの夕焼けを撮ったら下りると言ってたのに、なかなか下りて来ず、わたしもサンダルでアルミの簡易階段を恐る恐る上がると、

「靴のほうがいいよ」と言われて、また恐る恐る下りて、履き替えて階段上がって、足場の手すりに捕まって、下見ないようにして、こわごわ自分ちの屋根を見た。

この景色を見たい!となったら多少の危険があるもの。

夫は、屋根のてっぺんに腰掛けてた。それが、恐ろしくて、早くこっちに来てほしかった。

「ねぇー!危ないって!ねー!」

声掛けるのも恐ろしい。振り向いてひっくり返られたら大変…

ぜんぜん言うことを聞かない夫を残して、すごすごと階段を下りた。

夫と同じ位置に立ち、一緒の景色を見ようとするには勇気が要る。しかも目の高さも違うし、右側か左側か、でも違う。10cm違えば風も違う。

わたしには、大屋根の上を歩く勇気はないから、いつもの夕焼けをちょっと違う角度から見た。ほぼ同じで良しとした。


高いところは苦手。
今、思い出すだけでもお股がヒュンヒュンする。

6/5/2025, 1:17:45 AM