やさか

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 あなたが好きだった歌を歌うとき、踏み外す一音。
 あの秋の水溜りに立って頬に感じた風の色。
 空気を引っ掻くように掠れた笑いかた。
 差し出されたフォークの先にあったケーキの味。
 誰にも教えなかった恋。
 一度も口にしなかった、とっておきの愛の言葉。


 #どこにも書けないこと

2/7/2024, 3:29:27 PM