【題:1000年先も】
『今日は、
"今から1000年前は、どんな時代だったの?"
と息子に問われた。
学校で習っていくうちに、興味をもったらしい。
まあ、たしかにあの頃は激動って感じで、歴史好きの間では結構有名だ。
それに、記録も結構少ない。大抵は、900年前のあのときに消えてしまった、星と共に。残っているのは、ちょっとの書籍や論文だけ、そんなロマン溢れる時代だったはずだ。
私は、学校で習った記憶をたどって、
"とにかく、戦争とかが少ない、いい時代だったらしい。技術が一気に成長したり、国が協力して支え合って、もっと世界をよくするにはどうするか、みたいなことを話し合いながら、進んでいったらしい。それと、普通の人もごはんに困らないようになっていたはず"
みたいなことを話した。
初めて知ったことも多くて、息子は驚いていた。
懐かしい。私も習った当時は、素晴らしい時代じゃん、って感嘆してたな。
息子は、もっと1000年前に興味をもったらしく、
明日、おじいちゃんの家にいって調べてくる!
と息巻いていた。
1000年、数字で見ると少ないが、その間にこんなにも状況が変わってしまうなんて、人間がもつ力は恐ろしい。
ふと思ったが、今から1000年後はどうなっているのだろう?
また人類はあやまちをおかして、また別のばしょで暮らしていたりするのかな。
それとも、全滅してたりして。
もしかしたら、この日記が残っているのかも。
ワクワクするし、怖くもある。
あああと、今思い出したけれど、1000年前は世界のいろんなところから、また別のところまで、1分とかからずに手紙が送れていたらしい。データ?みたいな形で。
全部900年前のアレで跡形もなく消えちゃったらしいけれど。
だいたいがデータ管理だったから、史料が少ないんだよね。
そのことは息子にいうのを忘れていたから、明日話してあげよう。
今からでも、息子の驚いている顔を見るのが楽しみだ。』
今日の日記を書き終わり、本を閉じる。
そろそろ寝よう。明日もやらなければいけないことがたくさんある。
明日はちょうど、人間のせいで地球が壊れて、人類がこの星へ移住してきた日から900年。
毎年の明日には、その900年前にあった人類の不の歴史を、ずっと忘れられないように式典を開くのだ。
わたしはその式の準備を少し任されている。
正直面倒だが、まあこれも仕事だから仕方ない。
あ、そういえば、日記に今日の日付を書くのを忘れていた。
ページを開き、日付を記す。
『3026年2月3日』
よし、完璧だ。
2/3/2026, 11:23:20 AM