人気が無くとも歩いてる時にイヤホンやスマホを見ていると注意力が散漫になってる自分に気付いて落ち着かなくなるので不得意だ。
なので、もっぱら歩いてる間はくだらない事ばかり考えて時間を潰している。何気なく地面へ向け、視界に白線が飛び込んで来て連想ゲームの様に幼い頃の記憶を思い出した。
絶対的な安全地帯と日によってマグマかワニの居る川に変わる地面
雑草が回復薬に見えてたし、側溝にはお化けか怪物が潜んでる気がしてた。大雨が降ったって理由もなく胸が躍ったしポツポツ傘に当たる雨粒の音は耳を傾けてるだけでいつの間にか家に着いてるほど夢中になれた。
子供の時は色んな物が特別で、光って見えてたなと考え現実へ戻る。
今はどうなのか、思い返すも休日以上の特別に中々出会えていない…。
数本だけ色の違う素麺にも惹かれなくなり、いつからコンクリートに潜むワニや枕とタオルケットで出来た塹壕が見えなくなってしまっていたのか
考えると物悲しい気分になってしまい、幼い頃の特別に縋りたくなってひっそり白線の上だけを歩いてみる。
どこか気恥ずかしく感じながら安全地帯を探し歩けば、胸の奥で少しだけ何かが光った気がした。
『きらめき』
9/4/2024, 7:18:42 PM