咲人

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照れくさくて言えなかった
「一緒に帰ろう」も
独特のフォームで校庭を走りつづけることも
くせ字に込められたら優しい想いも
偶然の再会も
暖かかった冬の闇と、
眼を閉じた暗闇を重ねた夜も

二人で佇んでいたのは
おおきなイチョウの木の下
少し目線を下げる
目を見て話を聴く癖のある君と
見つめ合った二度目の再会の夜

過ぎるからこそ
記憶をたどるからこそ

昨日あの道で
誰もいないことを知りながら振り向いたのは
キリトリ線を越えたから




【特別な存在】

3/23/2023, 12:52:17 PM