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快晴…

(゜゜)快晴?

…。

…困った。

快晴という言葉に合うキャラがいない…。
ラボ組→基本屋内
屋上組→屋外だが、彼らの性格的に快晴は似合わない…
思考組→夜の世界

さーて、どうしたものか。
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「ここは若い子達にお任せしては?」

開口一番博士は言った。

「いや、無理です」

即答したのは、屋上組の彼女だ。
眼鏡の奥の瞳が学生らしからぬ冷たさを帯びている。

「俺達、陽キャじゃないんで」

彼女の援護射撃に回ったのは屋上組の男子──通称、俺だ。
彼もまた、彼女とは違う冷めた目をしている。

二人とも学生なのに何処か大人のようで、大人ではない。とてもアンバランスな子供だ。

「だからといって私達というのも…」

困り顔で博士と学生の間に立つ女性──助手は言った。
気遣い屋なのでこの状況は辛そうだ。

彼らは、ラボ組、屋上組と呼ばれる登場人物たちだ。灰色の空間にいるのは彼らだけで他に人影はない。

「思考組と呼ばれる人たちは出番なしとばかりにこの場にいないし。屋内にいる私達より、君たち学生さんのほうが快晴って言葉は合うと思うよ」

博士が穏やかな口調でさり気なくプッシュをかける。

「イメージを勝手に押し付けるのは、大人としてどうなんでしょうか」

大人のような冷静さで学生服の青年が、博士の言葉を跳ね除ける。

「大人として正しいあり方を私達子供に見せていただきたく存じます」

青年の後に続いた学生服の少女も大人顔負けの口ぶりだ。

「えー…この子たち目がマジだ」

助手が素の口調で言葉を漏らした。

学生二人の目は助手の言う通り、マジな目をしている。これ以上の会話は平行線を辿る一方で不毛だろう。

博士もそれを察したのか、苦笑を浮かべると、彼らへ最終確認を行った。

「あー…。本当にそんなに…嫌なのね…」

「「はいっ!!」」

二人は大きな声できっぱりと返事をした。

「「わー、いいお返事だー」」

博士と助手の声が仲良くハモった。

「「では、後はよろしくお願いします」」

そう言うと学生二人は、灰色の空間の一部を裂き、ヒョイと跨ぐと姿を消した。

残されたのは、博士と助手の二人。
二人は灰色の空間の中、困り顔で向かい合った。

「…たまには君一人で出演というのはどうだろう?」

博士の発言に助手は目をまんまるにすると、ワタワタと慌てた。

「あの、ここに来て急に梯子を外さないでください博士っ!!」

「だって、快晴って何?僕と快晴って何?」

「わかりましたから、2回も言わないでください。そうですね…。花壇のお手入れ…とか?」

「それ既に沈む夕日の時にやっちゃってるんだよぉ〜…」

確かに以前、いや、つい最近の文章だ。
同じシチュエーションのおかわり(時間経ってない)は如何なものだろうかと思わなくもない。

「…お花見とかします?」

時期的にはありかと思ったのだが、博士にとっては地雷だったのか、顔が青ざめている。

「平日にお花見したら、コイツラ仕事舐めてんのかとか思われちゃいそうだし。だからといって休日にお花見したら、部下の大切な休日を奪うって、今どきじゃあパワハラやらなんやら言われそうで無理だよぉ…」

博士もなかなかの気遣い屋だ。

「あっ、そういうの一応考えてくれているんですね」

顔をパッと明るくして助手が言う。

「そ、そりゃあ。き、君には長く、その、働いてもらいたいし。なるべく良い環境は、その、提供したいんだよ。しょ…所長として」

照れからなのか、顔を赤くしながら博士は言った。
青くなったり赤くなったり忙しい博士である。

「ありがとうございますっ。…何だか照れちゃいますね。あはは、なーんて」

助手も助手で博士と同じくらい顔が赤い。

「…」

「…」

顔の赤い博士と助手が二人して俯いて黙り込む。

いち早く気持ちを切り替えたのは、助手だった。

「と、とにかく。快晴で何かしましょう」

「…うん」

博士は赤い顔のまま、助手から目を逸らし小さく頷いた。
そのまま暫し俯いていたが、そっと動くと顎に手を添えた。
どうやら博士の思考が始まったらしい。

さて、どんな提案が来るだろうか。
助手として、サポートしなくては。
助手が意気込んでいると、博士と目があった。

「あのさ、もう今日はコレで良いんじゃないかな。僕たちは快晴が似合わないって話だけで」
「えっ、博士何言ってるんです?」
「あのね、この行数まで来ると打つのにラグがあって大変なんだよ。カクカクして打ち辛いんだ。だから、今日は終わろう」
「まさかのメタ発言」
「僕たちも帰ろう」
「あっ、博士待ってください。私、ここ何処かわからないのでって、ちょっと、置いていかないでください」
博士が切り裂いた空間に助手の姿が消えていく。

誰もいなくなった空間には、雲一つない空だけが広がっていた。

4/13/2024, 1:20:48 PM