小絲さなこ

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「サンタは捕まる」



二学期の期末試験の最終日。
開放感を抱えながら、いつものメンバー四人でだらだらと歩く。

「鈴の音って邪気を払うっていうじゃん。ということはさ、サンタが来る時のあの音もそうなのかな」

悪友のひとりがまたわけのわからないことを言い出した。

「あれ鈴の音なのか」
「トナカイの首についてるアレだろ。だったら浄化じゃねぇと思うけど」
「じゃあなんなんだよ」
「飼い猫の首輪の鈴のようなもんだろ」
「飼いトナカイ?」
「トナカイペットじゃねーし。あれ馬みたいなもんだろ。馬に鈴ってつけるか?」
「ていうか、結構大きな音出してるよな」
「あれだ、車とかバイクの排気音をうるさくするのと同じなんじゃね?」
「暴走サンタ」
「イキリサンタ」
「捕まるだろ」
「あいつら不法侵入するしな。煙突から」
「うち煙突ないけどサンタ来るぞ、毎年」
「それは……」

言いかけて、やめる。
まさかとは思うが、高校生にもなって……いや、こいつならありえる。
俺以外のふたりもそう思っているようで、顔を見合わせた。

「え、俺変なこと言った?」
「いや……」
「お前はそのまま綺麗な心のままでいろよ……」
「いつも変だから気にするな」

────ベルの音

12/21/2024, 6:22:01 AM