駄作です
恋か、愛か、それとも
あの子が産まれた日僕の世界は変わった。
色彩はどんどん鮮やかに、花々は咲き誇りあの子の誕生を祝っているようだった。
それから少ししてあの子が立った。、だんだんと立っていられるようになって、ちょっとずつ歩き出す。
始めて話した言葉は兄ちゃんだった。
可愛い可愛いあの子は気づいたら野を駆け回り、兄ちゃん兄ちゃんとついてくるようになった。
僕の可愛い妹を守ろう、そう決心した。
あの子は特別だった。皆に平和をもたらす神の子だ。仲が悪かった両親もあの子が生まれてから平和になった。
友達が喧嘩したってあの子が居るとすぐに仲直りする。
そしてあの子は聡明だった。文字を覚え、本を読み、歌を歌った。
僕よりうんと凄くって可愛かった。
そんなあの子は神に愛され過ぎたのかだんだん怪我が増えるようになった。小学校に上がって次第に周囲の子供に吸われるように元気もなくなった。
しまいには可愛いあの子の足に大きな怪我をして帰ってきた。
それでも何とか過ごしてたある日。暴走した自動車が横断中の子供たちに突っ込んで皆を庇ったあの子が、轢かれてしまった。
酷い。許せない。あの日沢山の管に繋がったあの子を見てこの世の全てを恨んだ。なぜこの子何だろう。僕なら良かったのに。そう思った。僕が中学校にあがったばっかりにあの子を守れなかった。
あの子は2カ月しても目を覚まさなかった。次第に荒れてく両親。延命するかと意味のない問いばかりであの子の状態を回復させることの出来ない医者。やっぱりあの子が居なくちゃダメなんだ。
そうこうしているうちに両親は離婚した。もともと鬱憤は溜まっていたのだろうあの子が入院して爆発しただけだ。
あの子と僕は母親に引き取られ以前より貧乏な生活になった。
それでもあの子を見捨てようとした父親についていくよりは良かった。
さらに時が立って僕は大人になって働いているとあの子が目を覚ましたと連絡があった。
もう9年。沢山時が経った。奇跡的にあの子が目を覚ました。良かった。あの子を諦めようとした母親になんか合わせてやらない。僕があの子を守ったんだ。
あの子はやっぱりというか記憶は小学校のままだった。
それでも良かった。あの子が生きてる。
普通の生活をあの子にあげることはできないけど、それでも、また守れる。
あの子が怪我をしないよう、また意識を失わないよう、しっかりとセキュリティのついた家に迎えて、3食ご飯をあげて、可愛い洋服もあげて、娯楽品だって与えた。
でもあの子は学校に行きたいと言い出した。
僕のめがない所なんて行かせれない。何か入ってるか分からない給食も駄目だし、あの子だけ大きくていじめなんてあってもだめだ。また同じように車が突っ込んできたらあの子はきっと子供を庇う。そんなのだめだ。
あの子は家に居てくれないと。
だからできる限りあの子のお願いを聴いて、あの子にはこの世の全てを与えられるように色んなこともした。
それなのに、それなのにだんだん憔悴していく。
なんで?なんて?
どうやってもあの子は元気にならなくて、、可愛い顔が曇ったまま、。どうすることも出来なくてあの子を見捨てようとした母親だって会わせてみた。
でも、それが間違いだった。
あの子は母親と協力して愛の住処から逃げ出した。
僕が手を伸ばした時には間に合わなくて、、
最後に会ったまるで化け物でも見るようなめであの子は
「おかしいよ、お兄ちゃん」
それから輝いていた色彩は色あせた。
この感情は恋か愛か分からないけど、あの子が大切だった。
でも、あの子を連れ去った母親に言われたんだ
「あの子の名前言える?」って
それとも僕はあの子が……
6/4/2025, 6:46:00 PM