【67,お題:巡り会えたら】
またどこかで巡り会えたら、こんな嬉しいことはない
遠い記憶をぼんやりと思い出しながら、朦朧とした意識の狭間で
憎たらしい程に澄み渡った空を眺める
みんな元気にしてるだろうか、特にお袋はそそっかしいから心配だな
「...ぁ、あ”ぁ”...」
もうほとんど声もでない、周りの音も聞こえないしどうやら置いていかれたらしい
最後に、もう一度だけ顔をみたかったな
故郷に置いてきた、初恋の彼女
俺は立場上未来を約束出来ないから、思いを伝えられずじまい
こんなことになるなら一言言っとけば良かった、あなたが好きですって
今までの息苦しさが突然フッと和らいだ、急に楽になる感覚に自身の終わりを悟る
ここまでか、短い人生だったな
次の人生に期待することにしよう、今世でこんなに苦しんだんだ
来世は多少幸せになれると信じて、...あぁ...あと
次の未来でも彼女と巡り会えたらこんなに嬉しいことはない
10/3/2023, 10:24:25 AM