考える葦になりたい鳥

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ブランコ

小さい頃、空と地面が逆さに見えるくらいやった。

そのまま空に向かって飛び出して、バーン!と地面に着地。まるで、鳥になったみたいに自由で、不思議な達成感みたいなものがあった。

振り返ると誰も乗っていない、大きく揺れるブランコ。

大人になって、同じことをやろうとした。
身体がフワリと浮くだけで、自分の中から何かが出て行ってしまいそうな感覚。全身から「危険」のサイン。

あぁ、鳥になっていたあの頃は、無知で無敵だった。

僕は「大人」に足を踏み入れて、身を守る術を身に付けて、飛べない鳥になったんだった。

振り返ると、少し寂しい音を立てて、ブランコは小さく揺れていた。


2/1/2023, 2:53:32 PM