KaL

Open App

1/24「こんな夢を見た」
 
 私は億万長者だった。
 娯楽はもちろん、望ましいベンチャー企業への支援、面倒な連中の買収や始末、慈善事業としての多額の寄付。湯水のように使える金があった。
 ある時、夢を見た。
 夢の中の私は貧困の底にいた。食べるものはなく、着るものもボロ一枚。無論、住む場所もない。
 私は感動した。毎日の衣装を選ぶ必要も、面倒な書類も、命を狙われる事もない。寒さと飢えはこたえるが、それこそ毎日を生きる意欲を新たにさせてくれる。
 私はしばらく夢の中で過ごす事にした。

「…っていう夢を見たんだよね」
「波乱すぎん?」

(所要時間:9分)



1/23「タイムマシーン」

「ついに完成したぞ! これがタイムマシーンぢゃ!」
「やりましたね、博士! これで未来に行けるんですね?」
「行けん」
「えっ? じゃあ、過去には?」
「行けん」
「えっ? えっ? だったら、何ができるんです…?」
「タイムマシーンとはすなわち時間の機械ぢゃ。例えば時間を計ることができる」
「ただの時計じゃないですか!」
「特定の時間にベルを鳴らす事もできるぞ」
「だから時計じゃないですか!!」
「他にも様々な機能があるぞ。このボタンがスヌーズ機能、こっちがストップウォッチ機能…」
「つまり時計じゃないですか!!!」
「はて、このボタンは何ぢゃったかのう?」
 ポチッ

 …シーン…

 時が止まった。

(所要時間:0分)(嘘です。7分)

1/23/2024, 11:48:16 PM