【お題:友情】
友情。それってなんなのかよく分からない。だから、私より5つくらい上のソフィアに聞いた。
「友情ってなに」
「え?」
ソフィアは何を行ってるのか分からないというような顔をしてこっちを見てくる。
「え?他のドールの友達でもできたんですか?」
ドール。貴族の従者であり、嗜好品。ある研究者が作り上げ、王様の娘に5歳の頃献上したことから、
5歳になった貴族の誕生日プレゼントとして渡すようになったもの。
もちろん人形だからなにも食べないし寝ない。だから、自分の主人が寝てる間こうやって他のドールに関わることが
ある。
「ううん、エリン様が読んでた本に書いてあった。」
「へ~。エリン様は読書家なんですね」
「アリス様だって読書家。」
アリス様って言うのはソフィアの主人。物腰柔らかでいい人だった。
「友情って言うのは、友達を大切に思う気持ちなんじゃないですか?」
「でも私、友達いない。」
「え~、私は友達じゃないんですか!?」
「ソフィアは先輩。」
「う~ん、なんか距離があって寂しいですが、まあいいでしょう!」
「そういうものなのかな。」
「え?何がですか?」
「ううん、なんでもない。」
「まあルーナにもいつか友達ができますよ!」
「急に話変わった。」
「えへへ...」
「...本当に私にも友達できる?」
「はい!本当ですよ」
「そう。」
「あっ、そろそろ主人が起きる時間じゃないですか?」
「そうだね。」
「じゃあ、またあいましょう!」
「うん。バイバイ。」
友情。私にも友達できたら分かるかな?
7/24/2023, 11:45:37 AM