『君と一緒に』
「この冬は君と一緒にしたいことがあるんだ」
無邪気に満面の笑みを浮かべる彼と、そう約束した昨年の終わり。
──というわけでやってきたのは、とある雪国のスキー場。
都会育ちには、何メートルとあるこの量の雪は、もはや珍しいを通り越して童心に帰りそうになる。
なるほど、彼が来たがったわけだと納得した。
元来アウトドア派の彼は、お互いの休みが重なると出かけようと誘ってくれる。
私も連れて行ってくれるなら……と、便乗して出かけている。
私も時々デパートをぶらぶらするのが好きなので、気分転換に外出するのがそんなに苦ではない質だった。
スキー場に着いてから、体がくたくたになるまでとにかく遊びに遊んだ。
こんなに羽目を外して子どものように遊んだのはどのくらいぶりだろうか?
多分、いつもとは違う非日常だからこそ、より楽しめたのかもしれない。
幸い、まだ数日はこのスキー場の近くのホテルに滞在するので、もう少しだけこの非日常を楽しもうと思って心が浮き立つのだった。
1/6/2023, 10:31:22 AM