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「好き」
なけなしの勇気を振り絞って告げた言葉。
彼は驚いたあと、真顔で問うた。

「それ、本気?」

「え…ほ、本気って、どういう…」

「浮気しない?」
肩をつかまれ、鋭い語調で突然問いかけてくる。
圧されながらうなずくと、さらにまくし立てられた。

「深夜にLINEしたり家行っても怒らない?ちっちゃいことで怒っても許してくれる?しつこくてもいい?」
…等々。
すごい剣幕はけれども、次第に困ったような、泣きそうな顔になって、声も震え、最後に一言。

「ずっと一緒?」

その甘ったるい声に、彼のほうも自分を想っていたことを知り、嬉しさ混じりに僕は「うん」と答えた。



あれは束縛めいた言葉にも聞こえたが、彼は単純に僕のことが好きすぎるだけのようだった。

まず距離が近くなった。
以前までは近くもなく遠くもなくといった感じだったが、今ではゼロ距離が基本になった。
日常ではきちんと一線をひいているようで、必要な時にはあっさりと離れてくれる。
しかし二人になると、その見た目からは想像できないほどかわいらしい甘えかたをしてくる。


そして、時々深夜に「さみしい」と連絡が来て通話に付き合ったり、限界が近かったのか、泣きながら自宅を訪ねてきた時はそばにいてあげた。
過去に何があったのかは知らないが、彼は僕と別れることより、どこかへいなくなったりすることが怖いようだった。
初めてそれがあったとき、深夜にLINE云々はこういうことかと思いながら、必死で彼を慰めた。


そうやって一緒に過ごすうち、彼の印象は「かっこいい」から「かわいい」に変わっていき、僕はさらに彼に本気になっていって、今では彼なしでは生きられなくなっている。




【本気の恋】


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こんなデカすぎる感情、どうやって隠してたんでしょうね。

9/12/2024, 12:10:06 PM