Largo giocoso

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『クリスマスの過ごし方』



クリスマス?

なにそれ。

なんだか外は騒がしいし、寒いし、私には関係ない。
この、暖かい部屋に入れれば私は幸せなんだ。

私はごろんと寝転がり、いびきをかいて寝た。

いつもいるあの人はなんだか出かけたし、今、私は独りだ。

いつもなら、あの人は私を見ると優しい顔をし、暖かい手で撫でてくれる。

そして、その人からお話を聞いたり、鼻歌交じりで料理している姿。

私はその人の行動一つ一つが興味深かった。

今日は機嫌がいい。
悪い。
体調が悪そう。
治ったみたいだ。
寝違えたのかな。
寝癖すごいな。

本当に、ヒトは見ていて飽きない。

けれども、その人は出かけ、部屋は真っ暗。
別に、暗いところが嫌いってわけじゃない。

なんなら、私の祖先は夜に活動していたくらいだ。

けど、私はこの胸の奥のモヤモヤが気になって仕方がなかった。

その人の帰りはいつもより遅かった。

ごーはーん!!

私は少し拗ねていつもよりしつこく言った。

その人は驚いた顔をした。
そりゃあ、そうだ。

ティッシュペーパーを部屋にばら撒き、ゴミ袋は敗れ、そこからゴミが溢れ出ている。

その上、椅子にかけてあったカーディガンは私の今日の寝床にして毛だらけにしてやった。

私は今拗ねてるのだ。

そのオーラを出した。

その人はやれやれといった表情で部屋の片付けをした。

そして、部屋が綺麗になり、その人は「おいで」と手を広げた。

いつもならそれに応じ、近くに行くが今回は行かなかった。


「もう、拗ねないでよ。」


なら、知らない人の匂いをつけてくるな。


私は愛おしいその人を睨み、しっぽをパタパタとさせた。

その後、その人はお風呂に入り、いつもの匂いになった。

私はその人に近づき、いつも以上にマーキングしてやった。


こいつは私のだ。


まぁ、当の本人は気づいてないみたいだけどな。

12/25/2022, 1:37:22 PM