ほろ

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「ポッキーもらってきた!」
「マジ? もうキットカットとトッポあんだけど」

元気よく教室に飛び込んできた幼なじみ。片手にポッキー。その組み合わせで、恐らく通りすがりの女子辺りに貰ってきたんだろうなと推測できる。
しかし、俺の机の上には既にキットカットとトッポが置かれている。ここにポッキー。棒系チョコはもう間に合ってるかもしれない。
「えー……じゃあ、たけのこ? きのこ?」
「んな都合よく持ってる奴いるのかよ……」
「部活の先輩にどっちももらった!」
「よく派閥争いが起きなかったな……せっかくだし、両方食べるか」
ほーい、と幼なじみは両方のポケットから、たけのこの里ときのこの山を取り出した。ポッキーと一緒に机に起き、俺の前の席に座る。
「あとねー、チョコパイと明治チョコとガーナとさくさくぱんだとー……」
どこにしまっていたのか。ポケットから次々とチョコ菓子が出てくる。
「ははっ、どんだけ貰ったんだよお前」
「だって、毎年バレンタインはそうしてるじゃん」
「そうだな」

毎年恒例、男同士のチョコを食べるだけの日。
お互いに貰ったり買ったりしたチョコを持ち寄って、食べながら喋るだけの日。
なんだかんだ言って、俺はこの日が好きだったりするのだ。

2/14/2024, 1:35:39 PM