『誰かしら?』
皆が眠る午前三時。
怪しくも魅力的な音に誘われて、薄くカーテンを開いた先に見えるのは、色とりどりの仮面を付けて舞うドレスとタキシード。
くるりくるりと回り私の目を釘付けにして、決して外に出てはならないパレードだとわかるのに音で光で私を魅惑する。
楽しげに音楽を奏でる青年を目に止めた瞬間。
玄関を軽やかに叩くノックの音。
さぁ、お嬢さんおいでなさい
扉を開けば泣き笑いの仮面をつけた人物が深々と頭を下げ
軽やかな音楽の先へと手を伸ばす。
花弁の如く舞うドレスの群れに誘われるがまま一歩踏み出す私の手を引く貴方はいったい―――
3/2/2025, 12:18:33 PM