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『星を追いかけて』

星新一。
言わずとしれたショートショートの神様だ。
奇抜なアイディア、意表を突く展開、多くの作品に散りばめられたユーモアとブラックさ、透徹した人間観察、たまに見せるゾクッとするほどのシリアスな一面。

小学生から中学生に上がる辺りで、私は彼の作品群に夢中になった。
新潮文庫で出版されたものを中心に、お小遣いの許す限り買い漁った。
大人になっても読み返すだろうし、なにより手元に置いていつでも読めるようにしたかった。
実際、こうして何十年経った今でも、私の本棚に彼の著作は鎮座している。

ボッコちゃん、殺し屋ですわよ、おーい でてこーい、生活維持省、不眠症、妄想銀行、霧の星で、狂的体質、マイ国家、妖精配給会社、鍵、処刑、殉教、セキストラ、人形、ゆきとどいた生活、午後の恐竜……

私は、未だに彼を追いかけている。

7/22/2025, 5:52:40 AM