外は湿気がこもっていた。青々とした葉が風に揺れてさらさらと音を立てた。濡れた匂い。耳の横を、羽音がかすめていった。服の中に暑さがこもり、服の裾をもって熱を逃す。この景色を、一緒に見れたら。外を知らぬ彼を連れ出して、この景色を共に駆け抜けられたら。汗に濡れる首元。初めての自由を噛みしめる瞳が光に反射する。彼の手触りのいい髪が風にさらりと浮く。その時、彼は笑うだろうか。心の底から、笑ってくれるだろうか。「……叶わないか」夏が、くる。
7/2/2025, 4:42:59 AM