始まりは、いつも突然だった。
机に物語が置かれて、読み手が椅子に腰掛け、丁寧に1ページ目が開かれるのではない。
本棚から本を取ろうとした拍子に、指が偶然隣の物語にかかり、本棚から落下していって98ページ目が開かれるといった始まり方だった。
1ページ目からだったら、この状況に至るまでの経緯や、伏線も回収することができるが、突然100ページ近くも飛ばして始まったら、何がなんだかわからない。
わたしたちの物語はいつも突然だ。突然その状況に置かれて、よくわからないまま過ごす時間がある。そのなかで苦悩することもたくさんある。
今はわからないけれど、ちゃんと物語の伏線が回収できるときがくるから。
だから今は、物語を語り続けることだけ考えればいい。
次のページを開くまで、どんな物語になっていくかわからないけれど、そのうち物語の創り手になれるときがくるから。
そのときは自分のやりたいことを実現できるはずだ。
__________________________物語の始まり_________。
4/18/2025, 11:50:48 PM