#宝物
ボクの唯一の家族であったおじいちゃんが亡くなった
おじいちゃんはいわゆる、資産家と言う人だった。
亡くなった後、おじさんおばさんが駆け付けてきた···
「財産分与はもちろん私にもあるわよね?」
「弁護士はまだか?」
家族とは···? いくら富があっても、虚しい
ボクに残ったのは、おじいちゃんと過ごした
この家と、学費と生活費程度のお金、
そして、書斎の金庫だった。
「何が入っているの?早くその金庫を開けて!!」
教わった通りにダイヤルを回すとなんの抵抗もなく
開いた金庫。中からは、僕が小さい頃に作った工作品
両親とおじいちゃんとの写真が埋め尽くさんばかりに入っていた。
「なんだ、用はすんだわね。それじゃ、私はお暇するわね」
お手伝いさんも帰って誰もいなくなった家で、
ボクは思いでの品物を一つずつ見ていった。
覚えているもの、覚えていられないほど
幼い頃の思い出をなぞるように······
品物に埋もれるように一台のパソコン
おじいちゃんの字で
〖ちゃんと覚えているかな?〗
パソコンの中には100万ほどの株が入っていた。
「おじいちゃん、ちゃんと覚えてるよ。」
教えてもらった〖知識〗
これがボクの本当に相続した財産であり宝物だ。
11/20/2023, 10:23:28 PM