12歳の叫び

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明日が嫌だった。
嫌いな先生のいる学校。
嫌いなクラスメイトのいる学校。
嫌いな勉強のある学校。
どんなに嫌いな相手にでも、いつの間にか笑顔で話している自分のいる学校――これが全部嫌だった。
だから私は休みたくて仕方がなくて、ズル休みでもしてやろうかと思った。なのに、出来なくて。
お腹を何度も殴って、頭を何回も振って、自分は体調が悪いんだと言い聞かせた――すると本当に頭痛がして、全身が痺れて、吐き気がした。
“やった、嬉しい”
そう思ったんだ。気持ち悪いとか、そんなのどうでも良く感じられるほどの嬉しさを感じた。
私はリビングへ行って、小さな声で母親と会話を交わして、ソファに怠そうな雰囲気を出して座った。
すると、母親は「どうした? 体調悪いの?」と、優しく話しかけてくれた。
「なんか、頭痛い」
このひとつの言葉を出しただけで休む? そう聞いてくれた。なんで、頭が痛いだけなのに。
頭がぐるぐるした。今にでも吐きそうだった。だって、自分が情けないんだもん。
頭が痛いだけで休ませてくれる親に、「本当は自分で腹殴って体調悪くした」だなんて言ったらと思うともっともっと、情けなく感じる。
せっかく休めたのに、罪悪感で死んでしまいそうだった。何度も何度もごめんなさいと声に出して、何も出来なかった。
その上、今日は欲しいものを買ってもらっちゃったよ。ごめんなさい、ごめんなさい、私、辛わせだ。

まま、お仕事中なのに一件のLINEを何度も私に送ってくれた。
――お薬飲んだ?
とか。
――ご飯食べれそうだったら食べてね。
とか。
ごめんなさい、ごめんなさい。謝ることしか出来ない私が情けなくて、あー、ごめんなさい。
明日、学校行きたくないよ。
いっその事、腹を殴って死んでしまおうか。
でも、お金かけちゃうから死ねない。せめて何万か貯めて死ななくちゃいけない。
それに、ブスだし。
友達いないし。
まだ死ねない。
生きなくちゃ。
生きないといけない。

でも――。
よくよく考えればあの子が死ねばいい話だよ。

死ね

7/11/2024, 1:08:03 PM