海喑

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永遠に

私は私以外の人と話している貴方が嫌い。
私とだけ話せばいいんだ。
ずっとこう思っていた。
どうにかして貴方を監視できないかな。
監視はしなくとも、ずっと一緒にいることはできるかな。
あっ、そうだ。
私は作業机からトンカチを出す。
そのトンカチを私の腕目掛けて振り落とす。
鈍い音が響いて、机の上には私の『一部』が散らばる。
それを集めて加工する。
できるだけ目立たないように、貴方の大事なものに入っていてもバレないように。
作業開始から2時間ほど経ち、やっと加工が完成した。
あとは、貴方の大事なものに忍び込ませるだけ。

後日、私は貴方に会いピアス─貴方の大事なものを少しだけ預かった。
そして加工した私の『一部』をそれに付ける。
すぐにそれを返す。
私はそのあとすぐにその場から離れる。

貴方がほかの誰と話していても、貴方はずっーと私と一緒。
貴方は永遠に私と一緒よ。
そう思いながら。

11/1/2023, 11:27:32 AM