たかなつぐ

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テーマ『時計の針』

 
 人生のタイムリミットは誰にでも決められている
 いつそれが来るか分からない
 終わりは誰にも知らされず、突然やってくる
 …はずなのに、なぜか私は
 『将来のために』という漠然とした言葉で正当化して
 明日やりたいと思ったことを、諦めようとしている

 シンプルに言おう。インドカレーが食べたい
 でもウェブサイトを見たら、物価高の影響か
 前よりも数100円高くなっていて、食べたい欲を
 抑え込もうとする自分がいる

 『明後日死ぬかもしれないから、食べたいものは食べておけ』
 極論だと思う
 これまでの経験で言えば、死なない
 なぜなら、今日まで生きてきているから
 
 子供の頃、食べたいものがあっても「高いから」と一蹴されて
 食べられなかった記憶が何度もある
 その悔しさが、大人になった今でも胸の中でくすぶっていて
 食べたい気持ちを『高いから』と抑え込もうとすると
 『なんで!?私はあれが食べたいのに、なんでダメって言うの!?』
 子供の頃の自分が、駄々っ子みたいに暴れまわって
 今の自分が「高いから」と言った母親に見えてしまう

 家族5人で外食に行けば、全員が本気で食べれば軽く1万円を超える
 けれど今、私がやろうとしているのは
 自分一人分の食事代であって、家族全員分じゃない
 小遣い程度の収入だが、なんとか賄える金額は稼いでいる
 
 私は自分の中の欲求を満たしてやらないと
 『なんのために仕事をしているんだろう?』と考え始め
 結果的に無気力になる
 心の中に、とても頑固でわがままで強欲な
 子供がひとり住み着いているようなものだと、私は感じている

 欲求は、満たしてあげれば手放せる
 なら、このインドカレーが食べたいという欲求も
 私の人生にとっては必然なのだと解釈できる

 なんとなく、自分の欲を(できる範囲内だが)全て叶えてあげることは
 ダメなことだと思っていた
 だけど、意外と私の本心はそうではないらしい

 仮◯ライダーオー◯の鴻◯さんじゃないけど
 欲というのは人が生きる意味であり
 明日を作るための大切なエネルギーだと思ってる
 むしろ、欲望があるということは当たり前じゃない
 なぜなら、数年前の私は自分の欲望がよく分からなかったからだ

 欲望を抑えつけすぎて、無気力になって
 1日中寝て過ごす時間が何日もあった
 だから欲望のサイクルが回せない人生の苦しさを、私は知っている

 ここにこうして書くということは、それでも高いランチを食べることに
 葛藤があったからに、他ならないのだけれど
 現状生活は親に頼ってるし、自分のことだけ考えられる時間なんて
 そう長くはないのだから
 今のうちに、やりたいことは悔いなくやっていこうと思う

 ランチに1600円くらいかかるとか、母親に言ったら
 ありえないって言われると思う(絶対母親に言わないけど)

 私がどうしてそこまで、美味しいものに対する欲が強いのかわからない
 けれど、これまで何度も欲求を解消してきた結果
 欲を手放すためには、物理的に無理な現実にぶち当たるか
 欲を満たして解消するしかないというのが持論だ

 こんな、匿名で書いてる場所で宣言することではない…
 いや、匿名の場所だからこそ宣言できるのかもしれないが

 明日気が変わっていなければ、私はインドカレーを食べに行こうと思う
 前に食べたバターチキンカレーのとても美味しかった記憶が
 頭から離れないのだ

2/6/2024, 11:28:11 AM