大好きな君に
拝啓 大好きな君へ
君と会えなくなってから、どれくらい時間が過ぎたのかな。私は今でも君のことを思い出します。
一番頻度が多いのは、君に似てる子を見かけた時。君ってば美人さんだから、その度に「君の方が可愛かった!」って周りの人に自慢して、私は可哀想な子でも見ているような顔をされてしまう。事実君の方が可愛いので、私はとっても遺憾です。
全力で遊んでる子を見かけた時も、思い出すよ。君は私よりお姉ちゃんだったけど、好きなものを前にすると、周りが見えなくなっていたよね。比喩じゃなく引きづり回された思い出は、今でも良い笑い話になっています。
そうそう、仲のいい家族を見かけても、君のことを思い出すよ。小学校の初登校の日、写真が嫌で泣いてた私に寄り添ってくれたよね。君は私のお姉ちゃんで、おばあちゃんだった。初登校の日のことは、私の恥ずかしい話として、やっぱり今でも笑い話になっています。
拝啓、大好きな君へ。君のことはよく思い出していたけど、君に話しかけるのは随分と久しぶりです。こうも久しぶりだと、話したいことが多すぎて、言葉にできなくなってしまう。個人的には、そそぎたてのソーダ泡みたいだなって思います。口にする前に弾けて消えるところとか、そっくりでしょう?
拝啓、大好きな君に。いい機会だと思ったので、手紙を書いているんです。可愛くて、食いしん坊で、ちゃっかりしていて、優しい君に。少しそそっかしくても、すごくいい子な君だったので、もう、全く違う君になっているかもしれませんね。
穏やかな小麦色の体も、ふさふさした尻尾も、くるくる動く大きな身体も大好きだったけど、いま君が幸せなら、見た目なんてどうでもいいかなって思います。どうか、幸せでいてください。
君の最後の家族の末娘より
P.S.
今回の手紙で、話しかけるのって大事だなーと感じたので、また手紙を送るかもしれません。次はもう少し伝えたいことをまとめておこうと思います。楽しみにしてください。
3/4/2023, 12:34:02 PM