見知らぬ街
電車へ飛び乗った。
涙が止まらなかった。
あなたはその子を選ぶのね。
2年も一緒にいた私より、1ヶ月の可愛い子を選ぶのね。
お母さん。お母さんの言った通りよ。
私、見る目なかった。
人目も気にせず、ただ泣いていた。
何駅かすぎて、少し落ち着いた頃、自分が座る席の横に小さなティッシュが置いてあった。
心優しい誰かが少しの思いやりを置いていってくれた。
どこ行きかもわからない電車へ飛び乗ったからか、
見知らぬ風景が並んでいた。
大きな田んぼ、周りを飛ぶ赤とんぼ。
自転車に乗る男の子。それを必死に追いかける小さなお友達。何気ない風景を夕焼けが彩っていた。
ねぇ、昔一緒に温泉巡りしたね。
その頃から私に冷めてたの?
嫌になってた?きらいになってた?
教えて。私なにがたりなかった?
電車を降りる。ひぐらしが鳴く。
何駅だろう。知らない街だった。
歩く。
海が見える、綺麗な街だ。
なんだかすべてを忘れさせてくれるような温もりだ。
ねぇ、あなたを忘れようと思う。
一緒に買ったマグカップも捨てるね。
あなたの好きな香水も、もうつけない。
私の部屋に残ったあなたの跡は綺麗になくす。
幸せになってね。 心からの嘘。
8/24/2025, 5:53:28 PM