昆虫や魚といったある種の動物の中には、死ぬ時がプログラムされているという。
たとえば交尾を終えた時。
たとえば子育てを終えた時。
最大の仕事を終えた彼等は動く事すら出来なくなって、やがて死に至る。
人間の物差しで考えれば、それは哀れにすら思えるかもしれない。けれど彼等動物の視点で考えると、種にとって最も重要な任務を達成した事になる。
人間の中でそれだけの事を成し遂げる事が出来る人は、果たしてどれくらいいるのだろう?
そもそも人間という種にとって、最も重要な任務とはなんだろう?
不治の病の克服とか、環境破壊を止める画期的な方法を見つけるとか、そんな感じだろうか?
でもそれを成し遂げる事が出来るのは、ほんのひと握りだ。
何事も成せずに終わる。
少なくとも私にとって、人生はそう決まっているような気がする。
END
「最初から決まってた」
8/7/2024, 3:06:43 PM