「ありがとうとごめんなさいを言える人になりなさい」。基本的に母の言いつけを守らない私が、いちばん忠実に従ったのはこの言葉だったと思う。なぜだろう。納得したからだろうか。確かにありがとうとごめんなさいは、言えた方がいい。そう、幼心に思ったのだろうと思う。
私は素直に言いつけを守り、見事に、パッと「ありがとう」「ごめんなさい」が出る人間に育った。もはやほとんど反射である。そう、反射的に、なのだ。さて果たして、このありがとうには……本当に、「ありがとう」が籠っているんだろうか。あらためて「ありがとう」という言葉に向き合って、そんな疑問が湧いてくる。
いや、無論、思っている。思ってもみないことなど、口にできない質である。私の視点では、そうだ。でも言われた相手はどう思うだろう。こんな反射的な、たったの5音から、何を受け取るのだろう。
そんなことを考えながら、ふと思い浮かぶのはセンキューハザードのことだ。運転中、前を譲ったときに、数秒焚いてくれるハザードランプ。ボタンを2回押すだけの、シンプルすぎるお礼。
カチカチ。
なるほど、たったの2カチであろうと、それなりに受け取れるものもある。5音ならばきっと、尚更。
#ありがとう
2/14/2025, 11:48:25 AM