とある恋人たちの日常。

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 ちょっと身体がダルくてウトウトとテーブルに突っ伏していた。
 肩首が痛いのと重いのと、少し苦しいのと。
 
 昨日はしっかり休んだし、出かける前に彼を構い倒したから精神的に落ち込んでいるという訳じゃないんだけれど。
 
「なんでだろう」
 
 そんなことを思いながらスマホで気圧予報のアプリを覗くと爆弾マークが付いていた。
 
 ああ、これだ。
 この後、もっと雨が降るのかな。
 
 天気予報を見ようと思ったのだけど、もういいや。
 そんなことを考えながら目を閉じて意識を手放した。
 
 しとしとと、やさしい雨音が聞こえて心地いい。
 
 目を開けるとベッドで横になっていた。重い身体を何とか起こしてもう一度瞳を閉じると雨の音がやさしくて、耳だけは心地いい。
 そう、耳だけね。身体がもっと重くて、あのテーブルで眠ったままなら、どうなっていたのかな。
 
 ガチャリと扉が開き、愛しい彼が私を見つめる。
 
「起きてたんだ。大丈夫?」
 
 そばに近づいてベッドに腰掛けてから私の身体を包み込む。彼の温もりが温かくて安心した。
 彼はなにも言わずに、ただ抱きしめてくれる。
 
 ああ、愛おしくて、落ち着く。
 
 
 
おわり
 
 
 
三七四、やさしい雨音

5/25/2025, 1:16:18 PM