ひたひたと響く音を感じ、湊は天を見上げると頭上には薄暗い空が広がっていた。
ところどころ濡れてきた制服に少し慌てると、湊は中庭の芝生から立ち上がった。
教室に着くと、再び雨音が聞こえてきたた。
パッと見ると、いつも優しい声で話す君がいた。
まるで雨みたいに、湊に何かしてくれる訳ではないけれど、時々ふらっとやって来て、小さな幸せをくれる君のことが湊は好きなのかもしれない。
たとえ周りに変わっていると思われても、やっぱり湊はこの優しい雨音が好きだ。
未だに降り続けている二つの雨音に耳を傾けながら、湊は君の方を見ると、こちらに太陽のような眩しい笑顔を向けている君がいた。
ハッとして窓の外を見ると、そこには柔らかな陽射しがさしていた。
湊は雨が止んでからしばらくしても、君に見惚れたままだった。
#優しい雨音
5/25/2025, 12:42:57 PM