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父が死んだ。

あまり実感がわかなかった。
今までだって年に2回会う程度だったから、何か大きな変化があるわけでもない。

葬式も終わり、遺品の整理をしていたときだった。
子供の頃に父と一緒になって集めていたコレクションが出てきた。

その瞬間、父との思い出が溢れ出してきた。
子供のような父の笑顔が、止め処なく浮かんでくる。
目からは涙が止まらなくなり、声が枯れるまで泣き続けた。

きっと誰かの死を受け入れるのはこういう時なのだろう。

10/21/2024, 12:06:27 PM