やさか

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 それは、午前一時に花ひらく。
 月もなく風もない、雲ひとつない星空を仰いで。
 誰の目も届かぬ摩天楼の上、彼女の手のひらに。
 淡い淡い青を、十重二十重に装う花芯の淡黄。
 一夜限りに甘く香る。
 花以外の何も持たず、ただ溢れるような絢爛。
 誰のため? なんのため?
 それは、真夜中に天の河をお渡りになる神様のため。
 千年を生きる彼女の罪を赦していただくため。


 #真夜中

5/17/2023, 12:34:29 PM