妄想の吐き捨て場所

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自分の行動に対して成功を求められるようになったのは、母が精神を病み祖父母に育てられるようになってからだった。
昔アイドルを目指していた親が、子供が生まれたことでその子に芸能界を目指させる。大人が子供に自分が叶えられなかった夢を背負わせる、よくある話だ。
祖父母は自尊心が高く自分たちこそは最高の魔法使いだとよく僕に自慢していた。歳をとるにつれて成熟していく魔法は確かに僕よりは断然洗練されていた。ただ、まだ歳が2桁にもなっていない僕よりは上手いだけ。世間的に見れば平均的かそれよりも下なぐらいの人達だった。高い自尊心に見合わぬ実力に劣等感があったのだろう。だから彼らは最高の魔法使いになるという夢を僕に課せてきた。
両親の目がないことをいいことに朝から晩まで勉強部屋に閉じ込めて机に向かっていない所を見られたらムチで叩かれた。食事とトイレは一日に2回でそれ以外は椅子に座りっぱなしかお下がりの杖で的に魔法を当てる練習をさせられていた。そんな生活を続けていたらガタがくる。分かりきっていることなのに、僕が体調を悪くする度に彼らは罵詈雑言を僕にあびせかけた。
僕はただ耐えるしかなかった。

8/9/2023, 4:25:06 PM