カーテン
夏の日。
暑さにだらけてごろごろ。
ベットに足をかけて床に寝転がると、ベランダに干した洗濯物が目に入る。
真っ白なシーツや洋服が、時折吹く風に揺れるさまをぼーっと眺めているのが好きだ。
風は窓のレースカーテンを揺らすと、床に伸びる者の鼻先をかすめて、もとに戻っていった。
廊下から可愛らしい鈴の音が聞こえ、愛猫が登場。
顔を近づけてくる猫の鼻に指を沿わせると、ひと嗅ぎして、顔を擦り寄せる。
さらに撫でようと手を伸ばすと、猫は主人のお腹の上を通って出窓へ飛び乗った。
ちぇ。気分屋め。
後を追って、窓辺から垂れて揺れる尻尾をしばらく観察。
やがて飽きる。
風が吹いて、レースカーテンがふわりと舞う。
心地よい風に目を閉じると、どこからか風鈴の音(ね)。
ちりん、ちりん。涼しげな音(おと)。
音色に誘われて、いつの間にか眠ってしまう昼下がり。
10/12/2022, 9:58:43 AM