ミキミヤ

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「パパ!!!おかえりー!!!!」

大きな声で言いながら、膝の辺りにぎゅっと抱きついてくる愛娘。
仕事で疲れて、寒い夜の中を歩いて帰宅した俺に、娘の体温がじんわり沁みる。

「おかえりなさい、あなた」

キッチンから顔だけ出して、妻も声をかけてくれる。辺りには、シチューの美味しそうな匂いがしている。

「ただいま」

娘を抱き上げながら、玄関を上がる。
娘は俺の手を触って、

「パパ、おててつめたいね。マナがあっためてあげる!」

と言って、俺の手を小さな手で一生懸命に擦ってくれた。

「ふふ、あたたかいね。ありがとう」

廊下を歩きながら、俺は笑って娘のほっぺにキスをした。娘は嬉しそうに笑った。

ああ、あたたかいな、幸せだな、と俺は思った。

1/12/2025, 7:55:32 AM