曖昧よもぎ(あまいよもぎ)

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貴方の手を擦り抜けた試験管が、音を立てて割れた5時間目の理科室。

周りの同級生の悲鳴と先生の慌てた様子に、貴方はただ瞳を震わせていた。

私にはそのガラスの破片と、貴方の目が、とても美しく見えたんだ。

そのとき貴方と目が合って、私は誤魔化しに窓を見た。

思いの外眩しくて、目を瞑った。

ぼんやりした真っ赤な世界。



二十四作目「眩しくて」
毎日このぐらいの内容量で、このぐらいの字数で書けたらいいな。

8/1/2025, 12:34:09 AM