夜汽杏奈

Open App

「刹那」

          夜汽杏奈

象の鼓動とネズミの鼓動
春風の音と地響きは共鳴し
生命の樹の中の循環よ廻れ
そこには終わりも始まりも
時の流れもなかった

巡り巡って与え合い支え合い
命も優しさも想いも繋がってた
現実を創造するピュアな魂
精霊も神々も祖霊も繋がってた

桜の花は散ったが土になるだけ
君への想いは永遠の約束
終わりのない時の中で
また空へ向かえるだろうか

たった一人に愛されることを
諦めた僕はいつしか悪魔となり
一部の富裕層達に操られ
世界に時間という概念を植え付けた

終わりがある事で救いになると
路地裏で泣くマッチ売りが語るから
刹那的に生きることは間違いだと
今が苦しくてもいいことを正当化した

何度も生まれ変わる君は僕を忘れた
でも見守ることだけは
誰にも打ち明けずにいた

君が見えない筈の僕の名を訪ねた時
この世界の時間と
人々の心の闇を小さな瓶に詰め
ブラックホールに投げ捨てた
君が僕の愛を思い出し泣いてくれたから
終わりがなくても苦しむことない愛と
サステナブルを植え付けた

桜の花は散ったが土になるだけ
君への想いは永遠のキス
終わりのない時の中で
また二人穏やかに暮らそう



4/29/2023, 9:56:37 AM