佐原369

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『幼い記憶での赤い月の標本。』


幼い頃のちょっとした記憶…
お母さんと手を繋いで帰った夜の道で、月が赤いことに気付いてさ、幼かった自分は世界終わるの?終末ってやつ??ってな感じで内心アホみたいに焦ってたんだけど、お母さんがちゃんと説明してくれたよ「皆既月食で赤く見えるだけだよ」
幼い自分からしたら何もかもが凄いことだったんだ。
自分はあの赤い月がまた見たくて、お母さんの部屋からこっそり持ち出した小説本。幼い自分には読めないばかりの漢字には目もくれず、赤いクレヨンや赤い折り紙、赤いリボン、お母さんの赤いリップ、…とにかく赤いものを使って、あの赤い月を小説本のぺージに再現しようと描いたり、くっつけたり、塗りたくったりして、遊んでいた。

大学生になった今でも、ページに何個も乱雑な赤い月が作られた小説本を時折思い出す、あっという間に大人になった自分を、幼い自分に重ねると必然的に懐かしさと少しの寂しさが胸に溢れていく、

今晩はそんな出来事を鮮明に思い出せる、
そんな夜だろう。

11/2/2025, 11:39:43 PM