楽園。
sidestory
ここが楽園だと気づいたのは、私が児童養護施設を出てまもない頃だった。
両親は酒やギャンブルに溺れ、私を玩具のように扱う。
日に日に増えていくアザと心の傷に耐えられなくなり、
雪の降る夜に家を飛び出したことがあった。
手足が悴んで歩けなくなった時に、シスターに会ったんだっけ。私の事を抱き抱えて、教会みたいなところに連れていかれた記憶はある。
児童養護施設と呼ばれるそこは、私にとって、監獄のようだった。幼い私は、身なりも悪く、教養も何も無いため、シスターたちの世話を焼いた。両親はどこかと聞かれたが、またあの家に戻されたくなくて、死んだと咄嗟に嘘をついた。私が最初についた嘘はこれ。
その後、何事もなく、成長し、児童養護施設から、ここの寮へと入居することになったのだが、いわゆるお嬢様学校のようなここは、私の自由が聞く素晴らしいものだった。寮生も暖かく、嘘をついてはいけないというたった一つのルールを守れば、あとは何をしても何も言われない。なんて素晴らしい場所なのだと思った。
私のルームメイトは小柄で小動物のような子だった。
私の事を気にかけてくれて、初めて友達が出来て、私は嬉しかった。と同時に、私はいつか自分の過去がバレてしまうのではないかと疑った。児童養護施設に入っていたこと、親にまともに育てられなかったこと、疎ましい自分を隠し続けることも出来なくなりそうだった。
ある日、その日は来た。
「そーいえば、あなたの家族ってどんな人??」
恐ろしい質問が飛んできた。顔が引き攣りそうなのを堪えて私は、私は、嘘をつくしか無かった_______________
「立派なお屋敷に住んでるの、最近は海外への出張で忙しいみたい」
嘘をつかざるおえなかった_______________
目の前に滾る炎を感じながら、目隠しを外されて、
初めて私は目の前の炎を綺麗なものだと認識した。
括り付けられる腕と、迫り来る炎を見ながら私は叫んだ
「覚えとけよ、私の勇姿!!!!!!」
最後くらい綺麗に死にたかった_______________
魔女狩りNo.12046
市城 鈴菜
友人へ嘘をついたことにより火炙りとする。
4/30/2026, 10:26:53 AM