『秘密の標本』
秘密の標本というものがある。
誰しもが秘密を抱えている。
そんな秘密の標本を眺める事が出来る。
標本室への鍵を――僕は持っている。
逢魔が時。
僕は手渡された。
ただ道を聞かれて教えただけの仲で、たった数分話しただけの仲で……そして、数秒前に呆気なく頭を銃で撃たれて死んだ人に、僕は手渡された。
次の継承者は……君だ、と。
僕に手渡された、それが……秘密の標本室へ鍵だ。
これを使えば、どんな有名人の秘密をも握って、世界を自分の意のままにする事が出来る。
だからこそ……この鍵を狙う悪人が多く存在するって事だ。
どうして、どうして僕なんかに?
僕は至って普通の高校生だ。
他のクラスメイトのように学校から表彰されるような事はした事がないし、実はちょっとビビリで小心者だ。
でも、鍵は僕の手の中にあった。
……どうしよう、どうすれば良いのだろう。
僕は頭を抱えながらもとりあえず学校へと向かう。
その姿を付け狙う視線に気が付かないまま。
これは、僕が新たに出会う仲間を始めとして、みんなと悪から秘密を守るために戦う話だ。
おわり
11/3/2025, 12:07:19 AM