月凪あゆむ

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君と出逢って

 ――もって、3日の命。

 私たちの、初めての赤ちゃん。
 小さな、あまりにも小さな赤ちゃん。
 ごめんね。
 言われていたのに。
「お腹の赤ちゃんのためにも、あまり動き過ぎないように」
 
 でも、ね。
 君に、喜んでほしくて、パパはいろんなおもちゃを買った。
 おばあちゃんも、沢山洋服を縫った。
 私も、なんて名前がいいのかなって、沢山のそういうサイトを見た。
 お店で子ども服を見て、つい買おうとしては、「気が早い」なんて言われたこともある。でも、けっきょく買ったんだよ。

 そうして、みんな。
 君に会えるのを。
 元気に泣く声を、楽しみにしていたの。
 なのに、ごめんね。泣くどころじゃなかったね。
 君は、予定よりもだいぶ早くに産まれてしまった。

 あの、ね。
 私たちは、もうとっくに「出逢って」るんだよね。
 君の命が、私のお腹に宿ったその時に。
 だから。
「君に出逢えて、よかった。みんな思ってるよ。だから、頑張って生きてほしいの」
 ポツリと、涙とともに言葉を落とす。


 ――そうして。
「もって、3日の命」と宣告された君は、もう3歳になる。

 体が未発達で産まれたために、「普通に」はできないこともあるって、聞いたし、実際そうだった。それには、ちょっと、いや。それなりに落ち込んだ。きっと私のせいだよねって。
 
 そんな日々で、子育てで大変なことも嬉しいことも、毎日しみじみと感じている。

 ――頑張ってくれて、ありがとう。
 これからも、一緒にがんばろうね。

5/6/2024, 12:59:13 AM