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君と過ごす時間が愛おしく感じるようになったのはいつからだろうか。
初めて出会った春の日か、親しくなった夏の日か、拗れた秋の日か、はたまた、あまりの寒さに笑いあった冬の日か。

しかし、君と僕は友人で、彼に対して恋なんて浮ついた気持ちは微塵も感じていなかった。いくら思い返しても思い返しても、彼に愛おしさを一抹も見いだせないのがいい証拠だ。

アナログテレビや漫画越しにしか見ることが出来ずにいた、友情という概念が僕は羨ましくて仕方なかった。田舎で育ち、同年代の子がいなかった農村地帯で育ったために当時居た僕の友達なんて角が大きかったカブトムシくらいのものだった。

それだから誰かと過ごす時間に淡く期待を抱くのだ。

まるで友情に恋をしているような、そんな腑に落ちない感覚が僕の心中にしこりを残している。

(2022/07/25 お題:友情)

7/24/2022, 6:17:27 PM