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やるせない気持ち

仕事でアプリの動作確認とかある部署に異動になった。Androidしか持ってなかったからスマホ2台持ちにした。

動作確認自体は職場のテスト用iPhoneでもできたけど、古い端末だったし、触ることができるのは職場にいる間だけだったからこれじゃ慣れないなと。
ユーザーの気持ちを知るにはまずその端末を知らねば、そのためには自分で普段使いして慣れるのが1番だと思った。

そしてその判断は正解で、AndroidとiPhoneの違いがわかっていることは業務上でとても役に立った。iPhoneのことを使い込んでなければ理解できなかったであろうことがたくさんあったが、普段使いしていたおかげで滞ることなく職務をやり遂げられた。
ちょっとお金がかさんだけど、2台持ちにして本当に良かったと思った。


2台持ちになって1年半がすぎたころ。

スマホ2台持ちにしたことは上司にも伝えていたし、業務報告書の中でも私物iPhone,Android/社用iPhone,Androidと表記をわけていたし、口頭報告でも「〇〇(私の名前)の私物のiPhoneとAndroidでは」と何度も言っていた。
2台持ちアピールとかではなく、あくまでも業務における動作確認に用いた端末としての報告。どの端末で確認したのかというのはとても大事なデータだ。

そうやって私が2台持ちであることがすっかり部署には知れ渡って当たり前になったころ。

私がいつものように2台のスマホで動作確認をしていると、上司が心底驚いたように「スマホ2台持ちなの?」と問いかけてきた。

初耳だと言わんばかりのその態度に困惑する私。
「え、今ごろですか?」引きつった顔でツッコむ同僚。
「うん、知らなかった。2台持ちいいよね、便利だよねー」1人満足げに頷く上司。


もともと忘れっぽいところはある人であることはわかっていた。
だけどさすがに。

仕事の場、ミーティング中や業務報告で何度も言ったし、そもそも本人に直接伝えたこともあるはずなのに。まったく初耳みたいなその態度はなに。

この人はこんなに私のことに興味がないのだと。
部下のことを何も見ていないし話も聞いていないし覚えてもいない。
2台持ちを褒めてほしいとか努力を認めてほしいとかそういうこと以前の問題。私のこれまでの業務内容について何も聞いていなかったのだと。報告書にも目を通さず、業務にあたる私を見ていなかったのだと。
それが明るみに出たわけだ。

べつに上司のために仕事をしているわけではない。
だけども自分なりに懸命に、未経験の職種でありながらもできる限り努力してきた。
しかしそれを一切見てくれていなかった。
ものすごい脱力感。なんだろうこのやるせなさ。

認められたいとか報われたいとか、そんなことではない。
もうただひたすらにやるせない。

これからもこの人のもとで働いていかねばならないのかと思うと、泣きたくなるような、目の前が真っ白になるような、どうしようもないモヤモヤでいっぱいになってしまった。




8/24/2023, 1:29:44 PM