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『快晴』


「今日の天気は晴れのち曇りです。
また、今晩以降は台風の影響により···」


車のらじおを切り、咥えていたきゃんでぃを歯で噛み砕いた。

まるで、ただ真っ青なキャンパスが塗りつぶされたほどのいい天気だと言うのに、台風がくるなんて考えられない。

会社の同期はすんすんと鼻を嗅ぎ澄ませば、雨の匂いが近付いてますね……なんて言っているが、私にはよく分からない世界だ。

「先輩、今日早上がりしてもいいですか。」

「あぁ。
そういえばお前、電車出勤だよな。
電車は止まらないのか?」

「多分俺の予想じゃそこまで酷い台風じゃないっすよ。」


そうだといいのだが。
私は、ですくとっぷに向かい通常業務を始めた。
少しずつ濁る曇り空に心做しか画面も見にくくなっているように感じた。
後輩はおやつ時頃に帰宅した。

私はそのまま定時まで残りずっと通称ぱそこんと睨めっこをしていた。
先日の出張先のレポートもまとめないといけないというのに、時間だけは刹那に過ぎていった。


「あー、こりゃだめだな」

地下から聞こえてくる雨水の音に、あすふぁるとを叩かんばかりに割れる音が響いていた。

確かに辛うじて電車は動いているようだが……60分遅れだと遅くまで残っていた人は嘆いていた。

車に乗り、再びらじおを流せば各地の台風の様子を流しているようであった。

車の左手側にある小さな引き戸を開け、私はいくつもあるいちご味のきゃんでぃを口に放り込めば、いつもならありえないくらいの爆音で音楽を流した。

きゃんでぃを砕く音も、地面に叩きつけられるほどの雨音も、静かに全てかき消えた。



4/14/2026, 5:11:29 AM