インディウム

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今日という日にはやはり
あの日の話をしなければならないと思うのですけれど
僕は当時はまだ七つか八つで
それもテレビで見ていただけでしたから
何だか大変なことが起こったとは思いつつも
それがどれほどかということがあまりわかっていませんでした。

この頃はようやくこの日付も日常に馴染んできた気がしますが
これを復興の証ととるか記憶の風化ととるかは
やはり当事者か否かで大きく変わってくるのだろうと思います。

さて、暗い話をするつもりもないので
好きな音楽というか、曲の話を少しさせてください。

キミナシビジョンという曲があります。
これはあの日、大切な人を失った恐らく思春期の青年の曲なのですが
この曲の歌詞の一節が好きなのです。



明日の天気予報は晴れのち大雨です

僕は外に出ませんので関係ないですけど

今から君に会いに眠りにつきますから

あの雲と雲の隙間だけは開けておいて下さい



奇遇にも今日は雨でしたから
ちょうどこの青年のことを思い浮かべたという具合であります。

夕方の天気予報では
明日は春の陽気ということで
今晩にも雲は晴れるやもしれません。

もしその雲の隙間から星が覗くなら
それはきっと「君」に違いないでしょう。

亡くなった人はみんな、お星さまになるんだよ、と
僕らはそう教わりましたから。

(星)

3/11/2025, 1:38:22 PM