前略
春のやわらかな陽射しが、そっと頬を撫でるような日和となりました。かような折、貴方のことを思い、静かに筆をとっております。
貴方とお目にかかるようになってからというもの、それまで胸の奥へと押し込めておりました思いを、少しずつ言の葉にして伝えられるようになりました。
人に頼ることを知らぬまま歩んで参りましたゆえ、寄りかかり方も、縋り方も未だ拙く、心許ないばかりでございます。
ご迷惑をおかけしてはならぬと、ただひとりで耐えておりましたが、何も申さぬことこそ、かえって貴方のお心を遠ざけてしまうのではないかと、近頃考えるようになりました。
涙がこぼれそうな夜には、貴方へご連絡差し上げるようにいたしました。いまだ迷いはございますものの、貴方のお声を耳にいたしますと、胸の内に溜まっていた寂しさはたちまちほどけ、先ほどまでの涙さえ忘れてしまうほど、あたたかなひとときへと変わるのでございます。
ゆえに私は、もう独りで涙をこらえることはいたしません。この想いはすべて、貴方へとお預けいたします。
貴方の胸をお借りして、私は少しずつではありますが、自分の弱ささえも大切に思えるようになりました。
いつも貴方は、静かに私の言葉に耳を傾け、やさしく励ましてくださいますね。
そのお心に触れるたび、私はますます貴方を愛おしく思うのでございます。
不器用な身ゆえ、人を慰める術は未だ拙くございますが、それでももし、貴方が想いを抱えきれぬ夜がございましたら、どうか私をお頼りくださいませ。
この胸は、いつでも貴方のためにございます。
どうかこの先も、変わらず私の隣にいてくださいますように。
草々
3/17/2026, 12:48:19 PM