【手ぶくろ】
しんしんと降る雪の上に
片っ方だけ落ちている手ぶくろ
誰かが落とした手ぶくろ
一体、誰の落とし物だろう
これが物語ならここに動物たちが集まって来て
手ぶくろの中に入って暖を取るなり
住み始めるなりするだろうが
現実ではそうはいかない
ただ、しんしんと振り続ける雪の中
手ぶくろに雪が降り積もり
雪の中に手ぶくろを隠していく
晴れるか春になるまで
雪にさらわれたまま
誰かに見つけて貰えることを待ち続ける
参照:絵本『てぶくろ』
作:ウクライナ民話
絵:エウゲーニー・M・ラチョフ
訳:内田 莉莎子
12/27/2024, 10:25:27 AM