のぞみ

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「なぁー、ねーちゃん。
じいちゃんの家に行ったら、仏様に線香を立てて手を合わせるじゃん?
あの時何を思う?
なんか願う?」
弟から聞かれた。
何を願うか。
私は
「うーん、まず最初に家族の健康かな?
これからも心身ともに健康でありますように。ってね?
で、自分の願いはそうだな〜。
人の気持ちを分かりたい。かな?」
悩んだ末にそう言うと弟は笑った。
「なんだそれ。人の気持ちを分かりたい? 
んな、大体は分かるだろ。
てか、そうだよなー、やっぱり家族が健康にだよなー。
俺いつも思ってた。
あんなに手を合わせて目をつぶってるとき何を考えればいいんだろって。
ぼけーっとしてるだけじゃなぁ。」
笑いながら弟は言う。
弟はバカにしてきたけど、人の心の声が聞けたらどんなに楽か。
この人はどう思ってるんだろーとか。
考えなくて済むし、女同士の面倒ごととか回避できそうだし。
あぁー、いいよね。弟は呑気な頭で。
あんまり悩みとかなさそうだし。
羨ましい気持ちになって少しムッとなる。
だから私は少し意地悪なことを言った。
「あんたは、家族の健康の次に自分の頭が良くなりますよーに。がいいんじゃないの?
まあ、努力でしかどうにかならないけど、勉強のやる気スイッチぐらいご先祖様にとしてもらえるようにねー
そしたらその馬鹿みたいにな頭少しは良くなるんじゃない?」
バカにすると弟は拗ねた顔をして言う。
「うっせっ!
そこまで言われるとムカついてきた!
俺は神頼みなんかじゃなく、1人で成績上げてやる〜
ねぇーちゃんにもうバカだなんて言わせねーから!」
おー、私が弟のやる気スイッチを押したみたいだ。
神様じゃないけどね。笑笑
早速、勉強机に向かう彼を見て笑うのだった。
あぁー、今日も平和だな。
ありがとうございます!神様、仏様!

                      完

8/14/2023, 2:31:18 AM