僕が書いていた物語
それが完結した
これ以上無いくらい、完璧な結末だったと思えるものだ
評判もかなりいい
もうこの物語で書くべきことはなにも無い
この世界で語られる話は、これで終わり
続きは書きようがない
そう考えていた
読者の人たちもそう思っているはずだ
しかし、ある日ふと頭をよぎったことがある
結末とはいうものの、主人公が死んでしまったわけでも、世界が滅亡したわけでもない
当然、現実だったとしたらこの先も主人公の人生は続いていくわけだ
その先の人生を見ることができない
それはなんだか、もったいない気がする
続きを書こうか?
いや、完璧な形で終わったのに、この先を書いては蛇足なのではないか
読む人たちも、絶対に蛇足だと評価するだろう
僕は無理に続きを書いて、評価を落とした作品をいくつか知っている
けど、僕はすでに先を見たくなっている
書かずにはいられないくらいに
けど、僕は中途半端なものや、今までの物語を台無しにするような話は書きたくないし、書くわけにはいかない
書くのであれば、これまでの全てを全身全霊で解き放つ覚悟がいる
だから、僕はすぐには書かない
すぐにでも取り掛かりたい気持ちを抑えて、見識を広げ、様々な人と意見交換をし、自分を成長させてから書き始めよう
まだ続く物語を、駄作と呼ばれないように、素晴らしい物語にするために
自信を持って発表できる物語を、きっと書いてみせる
5/30/2025, 11:05:14 AM